ライトトローリング
1.カツオを釣る
■曳き縄釣りの6つの要素
「目には青葉、山ホトトギス、初鰹」という句にあるように、黒潮の水温が変わらない限り、この時期カツオは日本の太平洋沿岸にやってきます。
カツオの適水温は18度から21度くらいの間。春に黒潮にのって北上し、寒流とぶつかるあたりまで行き、秋、適水温まで下がった頃、戻りガツオの名の通り再び戻ってきます。
私は曳き縄釣りは必ず釣れる釣りと考えていますが、そのためにはいくつかの要素を満たさなくてはなりません。その要素を簡単に説明します。
①水 温
黒潮は遠目にみると黒く、近くで見るとインクブルーの様な色に見えます。テレビなどで見るハワイ沖の海の色と同じです。日本の沿岸、特に岸近くの海域によく見られる緑色がかった水色は、水温も低く、カツオの適水温ではありません。紀伊半島はここ15年くらい黒潮の動きは安定していますが、関東の場合、黒潮の蛇行によって年ごとに状況が変わります。
日頃からどのあたりの漁港でカツオが水揚げされているか、マリーナでカツオを釣られた方がいればどこで釣ったか、水温は何度だったか、この3つは常に注意しておきます。
漁船であれプレジャーボートであれ、前日に釣れたという情報があれば七分くらい釣れたと同じです。トローリングでは水温計が威力を発揮します。そのため市販されているアルコール製などの水温計を使い、正確な水温を計り、ボートに取り付けられた水温計の誤差を補正しておきます。
②潮 目
カツオは大きな群れになって遊泳しています。水面に顔を出すこともあり、そのためルアーはあまり沈めなくても水面で釣れます。
水温の情報である程度狙う海域が絞れたら、まず潮目をさがします。潮日の見分け方は、潮の色がはっきり分かれている、流水藻やゴミが帯状に続いている、水温計が微妙に変化するといったことが目安になります。また多くの場合、鳥が潮目を教えてくれます。鳥は潮日に沿って飛んでいることが多いからです。
③鳥 山
鳥山もカツオの居場所を教えてくれます。鳥山とはカツオなどの回遊魚に追われた小魚が水面へと逃げ、それに鳥が群がっている状態のことを言います。したがって鳥山の下にはかなりの確率でカツオなどの回遊魚がいます。ナブラを発見したら、ナブラの先頭を追いながら釣ります。ナブラの方向は鳥が教えてくれます。
④浮遊物
必ず近づいてみなくてはならないのは大きな浮遊物です。浮遊物は古いものほど良く、その下に、回遊魚がついていることがあります。これを「木づき」といい、ジンベイザメなどにつくのを「サメつき」と呼びます。ボートにつく場合もあります。回遊魚は物の影につく習性があるわけです。
⑤操 船
ナブラがないときにカツオがヒットしたら、まずはヒットした仕掛けの舷側にハンドルを少し切りながら旋回します。ランディング(取り込み)はアウトリガー先端のヒコーキやトップ(センターリガーがある場合)にヒットした場合、すぐにランディングせずにおとりとして置いておきます。そしてほかの仕掛けに追い食いしてきたカツオを順にランディングしていきます。
また魚から針をはずしたら仕掛けはまたすぐに流します。はずした針とルアーを足元に置きっぱなしにしておくと足で踏んでしまったりラインと絡まるなどトラブルの原因になります。
⑥仕掛け
図にあるのが一般的なカツオの曳き縄釣り仕掛けの流し方です。片舷に3つずつ、合計6つの仕掛けを流します。1つの仕掛けにルアーをいくつも付けると、魚がヒットして走り回り、仕掛け同士がオマツリをしてしまうため各仕掛けにルアーは1つしか使いません。
アウトリガー先端のヒコーキ仕掛けはタカヤマの先端からルアーまで20ヒロ、約30メートル、トランサムからのルアーまでの長さはタカヤマの分も入れて約35メートルです。このカツオの仕掛けがトローリングの様々な仕掛けの中で一番ボートからルアーまでの長さが短い仕掛けです。漁船はもう少し短くします。この寸法はプレジャーボート向けに水中排気や2機掛けエンジン等を考えて、長年の経験から私が決めた寸法で非常に高い実績があります。
ヒコーキから2ヒロ目にナツメオモリ(10号くらい)をつけると、風の強い日や波の高いときにルアーが安定します。
2番目のラビット仕掛けはボートの曳き波によりできた白い泡の筋の上を引きます。ラビットの後ろのタコベイトによるティーザーは、私の発案ですが思わぬ釣果をもたらすことがしばしばあります。
潜行板はカツオの場合9.5号から9号を使います。コードには強度が求められるため、3ミリくらいのナイロンコードに樹脂をからめたアシモリコードというものを使います。さらにクリートに結びやすいように手元1ヒロに6ミリくらいのクレモナロープなどを使います。
潜行板から後ろのリーダーは矢ビキ (1メートル)くらい、ルアーは3号のベイトにヘッドを少し小さめや軽めのものを使い、針はダブルフック。潜行板の調整方法は、まず潜行板が見える水深3メートルくらいで潜行板の振りを見ます。ゆっくり8の字に振るのはダメです。カツオの場合ははげしく左右にくの字に振るのが理想です。はげしく振りすぎて水面に浮いてきてしまうものには潜行板の後部からタコ糸を流すか、潜行板の裏面に取り付けたゴム板を幅がもう1ミリ太いものに替えます。
このゴム板の取り付け位置を左右に動かすことで潜行板仕掛けを右寄り、または左寄りに流すことができます。
潜行板仕掛けにはスイベルやショックコードは使いません。スイベルはその重量や体積によって、潜行板の微妙なバランスがとれにくくなるためです。
ティーザーを工夫することも大切です。ティーザーを流すことによって、より魚に対してアピールできるからです。例えば2隻のボートが同じ方向へ並んでトローリングをしているとします。その後にカツオのナブラが近づいてきたら、当然アピール度の強い方にヒットします。
|
カツオ釣りのおすすめアイテム その1 |
||
![]() 紀州カツオ釣り達人セット 発売以来15年、圧倒的に支持されている超人気ベストセラー商品! |
![]() ヒコーキケンケンセット 「紀州カツオ釣り達人セット」の分解バージョン。単品版。 |
![]() 潜行板ケンケンセット 「紀州カツオ釣り達人セット」の分解バージョン。単品版。 |
■食べて美味しいカツオとは
毎年ボートショーが終り春一番、二番と吹き終わると、いよいよオフショア・フィッシングの時節到来となります。最初の釣り物はなんといってもカツオです。例年だと3月の終わり頃から沿岸に近づいてきて、5月の連休くらいまでよく釣れます。
ここでちょっとカツオの味について触れてみます。昔、カツオは江戸っ子が嫁を質屋に置いてでも食ったといわれるほど美味しい魚です。とくに漁師の間で「もちガツオ」と呼ばれる身がもちのように柔らかくてもちもちしたカツオは絶品です。
カツオの味はなんといってもその保存方法によって天と地ほども変わります。漁師さんたちが同じカツオの群れで釣った同じカツオでも、その保存方法で水揚げされたときにそれぞれ価格が違うのです。
ご存知のように、カツオ漁には一本釣り(生きエサを撒いて散水して釣る方法) と、曳き釣りがありますが、曳き釣りで釣られたカツオの方が高い価格で取引されます。なぜかといいますと、カツオの一本釣りの場合は、次から次へとカツオを釣り上げるので、しめる前にカツオが死んでしまいます。片や曳き釣りの場合では、カツオを1本ずつ釣り上げ、釣り上げると同時に船縁にカツオの頭を思いきりたたきつけてから塩水の入った桶で血抜きしますから、身が柔らかく味が落ちないのです。
カツオの身は一般に氷を多くして冷やしすぎると硬くなるといわれます。保管は0~6度くらいが良いとされます。
このようにしてしめたカツオは臭みもないので、たたきにすることなく、刺身で美味しく食べられるのです。美味しいカツオは刺身で食べるものだということを忘れないで下さい。
■カツオを釣るためには
さて、カツオの曳き釣リですが、これはさほどむずかしいものではありません。カツオは水温と前日までの情報が分かればかなりの確率で釣れます。適水温は18~21度くらいです。適水温はその魚の好む水温ですから、海の状況によっては水温が違っていても釣れることもあリます。
ポイントは、例年では田辺沖から日置川沖、すさみ沖の3マイルから6マイルくらい、通称「本船航路」あたりですが、紀伊水道北部で黒潮の暖水波及が続いているときは、12月ごろ日の御崎の少し北、由良沖でヨコワ(メジ)が釣れた年もありました。
また、淡路島の北淡町に住む知人の話では、水温が下がらないので播磨灘のノリ網がまったくダメだということでした。
例年では黒潮の暖水波及の北限は日の御崎あたりですが、淡路島の南の沼島あたりにも黒潮があれば、カツオ仕掛けを流して本ガツオが釣れたときもあります。黒潮のブルーの潮と18度以上の水温があればカツオのいる可能性があります。
■マナーを守って釣りをしよう
最後にポイントですが、漁船がたくさんいるところは、当然カツオのいる可能性が高いのですが、これらの船はカツオの魚群を見つけるとエントツから黒い煙を出して船を走らせます。その船を遠巻きにしながらトローリングすれば釣れますので、決して漁船には近付かないことです。
沿岸の一本釣り漁船は春のカツオ漁が年間の水揚げの大部分を占めています。我々は彼等の職域を侵すようなことはしてはいけません。
カツオの魚群は、ベタ凪のときは水面にポツリポツリと雨粒が落ちたときのような波紋みたいに見えます。魚群がいないときはセオリ一通り潮目を探します。潮目は本船航路と平行して沿岸から2~7マイルあたりの間に何本かありますので、潮日を見失ったら、陸に船を向けたり、また沖に向かって行けば必ず潮目を見つけることができます。
|
カツオ釣りのおすすめアイテム その2 |
||
![]() ラビットケンケンセット アウトリガーの2番手として引き波の白いあわの上を曳くと効果絶大。 |
![]() カツオ用ルアー(ヘッドのみ) カツオルアーの定番。カツオ専用ルアー。 |
![]() カツオ用ルアー タコベイト、フック、リーダー、リギング済セット ヘッドに使用している「白蝶貝」は、太陽が昇った日中のヒット率抜群! |





